BAは本来「Business Analyst(ビジネスアナリスト)」の略ですが、今回は日常業務から少し離れる「Break Away」の時間です。

SupremeTechのBAチームは、日本人トレーナーによる研修に参加しました。ロジカルシンキングや商談術といった重要なスキルに加え、日本のビジネスパーソンならではのプロフェッショナルな視点や、論理的な仕事の進め方を学ぶ機会となりました。本記事では、その内容をご紹介します。

ロジカルシンキング〜伝える力は論理的思考から

今回の研修は、一般的な「ロジカルシンキング」ではなく、「BAがお客様にわかりやすく説明するにはどうすればよいか」に焦点を当てた内容でした。さらに、同じ内容を伝えても人によって解釈が分かれてしまうことを防ぐ伝え方も学びました。

トレーナーが最初に紹介したキーワードは「一文一義」です。

一文一義とは、1つの文で伝える内容を1つに絞るという考え方です。1文に複数の意味を詰め込むと、相手は理解しづらくなります。

日本人トレーナーによるBAチーム研修の様子

語彙力や文法力が上がってくると、私たちはつい難しい言い回しを使いたくなります。しかし研修中、トレーナーの次の一言がその思い込みを解いてくれました。要約すると、次のような内容です。

「本当に上級なのは、難しいことを一番シンプルに伝えられる人です」

まさにそのとおりです。プロジェクトのコミュニケーションでは、難しい言葉を並べた長い文章よりも、素早く、わかりやすく、納得感のある伝え方が求められます。

このような伝え方を実現するための強力な手法の一つが、ピラミッド構造(Pyramid Structure)による情報整理です。

ピラミッド構造の基本原則は次のとおりです。

  • トップダウン型のコミュニケーション:最初に結論を述べ、その後に理由や根拠を示す。
  • MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive):各要素が重複せず、全体として漏れがない状態にする。

情報は次の3層で構成します。

1. トップ(メインメッセージ):

  • 一番伝えたい結論
  • 最初に述べる

2. 中段(キーポイント):

  • 結論を支える理由やサブメッセージ
  • 2〜4つが理想

3. 下段(サポートエビデンス):

  • データや具体例、詳細な補足

以下は、研修で実際に取り組んだ課題「SupremeTechのPRポイントは何ですか?」を、ピラミッド構造で整理した例です。

「SupremeTechのPRポイント」をピラミッド構造で整理した図

この構造に沿って発表してみると、驚くほどわかりやすく論理的な説明になり、参加者全員がその効果を実感しました。

商談術:まだ言語化されていないニーズを引き出す

続く商談術のテーマでは、トレーナーから考えさせられる2つの指摘がありました。

  • 「ほとんどのお客様は、最初からニーズを明確にしているわけではない」
  • 「購買の70〜80%の決定は、会話や相談の中で形づくられていく」
クライアントの潜在的なニーズを氷山で表したイメージ

では、BAは顧客自身も自覚していない、まだ言語化されていない潜在ニーズを、どのように引き出せばよいのでしょうか。

そこで役立つのが、次の2つのテクニックです。

  • SPIN質問:状況(Situation)、問題(Problem)、影響(Implication)、潜在ニーズ(Need-payoff)の4ステップで質問を重ね、顧客が本質的な課題に気づけるよう段階的に導く手法です。
  • BAF法:利点(Benefit)、強み(Advantage)、特徴(Feature)の3つの観点から整理することで、提案に説得力を持たせるアプローチです。

研修では、これらを使って「このバッグを売ってみよう」という模擬演習に挑戦しました。まずは質問を書き出すところから始めます。

グループで質問を書き出すBAメンバー

BA役と顧客役に分かれてロールプレイを行うと、質問の仕方を少し変えるだけで、顧客役が「自分が本当に欲しかったもの」に気づく場面が何度も見られました。

BA役と顧客役に分かれたロールプレイの様子

(ペアでのロールプレイの様子)

単に「どんなバッグをお探しですか?」と聞くのではなく、SPIN質問を使うことで、BAはお客様が本当に必要としているバッグの姿を引き出せます。

  • S(Situation – 現状):「普段はどんなバッグをお使いですか?」
  • P(Problem – 課題):「今使っているバッグで、収納が足りなかったり、服と合わせにくいと感じたことはありますか?」
  • I(Implication – 影響):「もし荷物が全部入らなかったり、シーンごとにバッグを変える必要があると、不便に感じませんか?」
  • N(Need-payoff – 潜在ニーズ):「もし、どんな場面にも合う、収納力があり、かつおしゃれなバッグがあったら便利だと思いませんか?」

さらに、BAF法を使って商品の魅力を具体的に伝えます。

  • Benefit(利点):「このバッグなら通勤、お出かけ、出張にも使えて、スタイリッシュでスマートな印象を保てます。」
  • Advantage(強み):「オフィスワーカーに大人気で、実用性の高さにも定評があります。」
  • Feature(特徴):「3つの便利なポケットがあり、防水素材を使用しています。」

こうしたシンプルなテクニックを適切なタイミングで使うことで、BAはお客様が「本当に必要なもの」に気づくきっかけをつくり、スムーズな意思決定を後押しできます。

ソフトスキルはBAの強力な武器

ソフトスキルは、BAにとって欠かせない武器です。

ピラミッド構造による論理的な伝え方から、SPIN質問・BAF法によるニーズの引き出し方まで、いずれもBAが顧客の前で自信を持って話すための武器になります。

これらのスキルを身につければ、単に要望に応えるだけでなく、顧客に新たな気づきを提供し、信頼関係の構築や受注にもつなげられます。

研修修了証を手にしたBAチームの集合写真

SupremeTechのBAチームは、今後もこうしたスキルを磨き、お客様の課題に寄り添った提案を続けてまいります。

皆さんもぜひ、次の会議で試してみてください。