2025年9月6日〜7日、SupremeTechは初となる「AI駆動開発ハッカソン」を開催しました。SupremeTechのメンバーで構成された10チームが、日々の業務から離れ、実際のビジネス課題に挑戦。わずか22時間のうちにアイデアを出し合い、コードを書き、AIツールを創造的に活用したソリューションをピッチで発表しました。

このハッカソンは単なるコンテストではなく、メンバーがAIを実践的に試し、チームワークを強め、AI時代のプロダクトビルダーへと成長するための機会として企画しました。優勝チームには賞金1億ベトナムドンが用意されました。

小売・観光業界の実際のビジネス課題

まずは、10チームの創造力を刺激した課題をご紹介します。なじみのあるテーマもあれば、難易度が高く、型にはまらない発想が求められるテーマもありました。

CEOのBìnhは次のように語っています。「課題を設定するにあたって、3つのバランスを意識しました。1つ目は、成果に実用的な価値が生まれるよう、当社の実際のビジネスに十分近いこと。2つ目は、AIを飾りとして付け足すのではなく、効率化や新たな機能を生み出すために意味のある形で活用することをチームに求めること。そして3つ目は、職種に関係なく誰もが参加し、プロセスから何かを学べるよう、シンプルで自由度の高いものにすることです。」

「AI駆動開発」をテーマにした今回のハッカソンでは、各課題が次の条件を満たすよう設計されました。

  • 実際のビジネスニーズに近いこと:成果が実務に応用できるように
  • 実践的かつ意味のある形でAIを活用すること:効率化や新たな機能を生み出すために
  • すべての職種に開かれていること:誰もが参加し、学び、貢献できるように

それでは、各課題の詳細を見ていきましょう。

小売ブランド向けオムニチャネルEC・ロイヤルティアプリ

これはSupremeTechが強みとする分野であり、主要サービスの一つです。あえて課題に含めることで、既存のクライアントにもそのまま活かせる、クライアントの事業成長を直接支えるソリューションに取り組んでもらいました。

この課題を選んだ参加者にとっては、有利な面と難しい面の両方があります。当社はこれまで、クライアント向けにさまざまなECシステムやロイヤルティシステムを構築・運用してきました。しかしAIを使って新たに構築する以上、過去の経験をなぞるだけでは評価されません。審査では、AIによって開発プロセスがどのように進化したか、そしてなじみ深いテーマにどのような戦略的な工夫を加えたかが問われました。

課題文では、分断された小売体験という問題を解決するアプリの開発が求められました。ソリューションには、オンラインとオフラインのショッピングを統合し、ロイヤルティプログラムやパーソナライズを深く組み込むことが求められます。

この課題からは、実にさまざまなバリエーションのソリューションが生まれました。

観光向けデスティネーション・体験管理システム

団体旅行の管理は複雑な作業で、コミュニケーションの行き違いや非効率さに悩まされがちです。ダナンのような観光拠点では、企業が大人数の旅行者向けにツアーやイベントを頻繁に開催しており、ロジスティクスを効率化し参加者のエンゲージメントを高められるかどうかが、顧客満足度に直結します。

企業にとってこうしたアプリは、運営の負担を減らすだけでなく、提供するブランド体験全体を高めます。うまく設計・運用すれば、売上の向上にもつながります。

この課題では、団体旅行の管理を効率化するプラットフォームの開発が求められました。メッセンジャーアプリのようなバラバラのツールに頼るのではなく、主催者が移動手段、スケジュール、参加者とのやり取りを一か所で調整できるソリューションです。

このテーマはSupremeTech自身の社員旅行での課題を反映したもので、ダナンの観光・ホスピタリティ業界にも大きな応用の可能性があります。

HR向け人材・パフォーマンス管理システム

上記2つの業界に加え、3つ目の課題では、当社のように「人」が原動力となるすべての企業が抱える課題に取り組みました。

パフォーマンスを追跡するだけでなく、継続的な成長と称賛まで支える統合プラットフォームとなると、選択肢はほとんどありません。

この課題では、分断されたパフォーマンス管理という問題を解決するアプリの開発が求められました。ソリューションには、目標設定、パフォーマンスの追跡、継続的なフィードバック、人材育成をひとつのプラットフォームに統合し、社員が正当に評価され、事業目標と方向性をそろえられる透明性の高い組織文化づくりを支えることが求められます。

「何をつくるか」と同じくらい「どうつくるか」が重要

ハッカソンでブレインストーミングと開発に取り組むチーム

チームが何をつくったかと同じくらい重要だったのが、どのようにつくったかです。今回のハッカソンは、巧みなアイデアを出すことだけが目的ではありませんでした。実行力、プロセス、チームワークが最終的なプロダクトと同じくらい重要であることを証明する場でもありました。

多くのチームは、AIを単なるツールではなく、頼れる「コパイロット」として活用していました。AI支援のフレームワークを使ってより速くプロトタイプをつくり、繰り返し作業やテストを自動化し、アジャイル開発を加速させるより賢い方法を模索していました。

特に印象的だったのは、AIを最大限に活かすために各チームがワークフローを工夫していたことです。AIによるインサイトをもとにスプリント計画を見直したチームもあれば、AIモデルを活用して開発サイクルを短縮したチームもありました。また、負荷の大きい作業をAIに任せることで、より効果的に協業する新しい方法を見つけたチームも多くありました。

ハッカソンは、AIがソフトウェア開発のあり方をどう変えるかを試す、実践的な実験の場となりました。創造性はアイデアそのものだけでなく、それを形にするプロセス全体に宿ることを改めて確認できました。

経営陣と参加者の声

経営陣の視点:今回のハッカソンを通じて、社員が実際のクライアントの課題に向き合い、イノベーションをビジネス価値に直結させられることを確認できました。また、AIは理論上の取り組みにとどまらず、日々の課題解決に組み込めることも実証されました。

副社長のVĩは次のように語っています。

「SupremeTechの実際のプロジェクトでは、クライアントの期待や適性に応じて、すでにAIを選択的に活用しています。多くの場合、ソフトウェアの開発コストを最適化し、市場投入までの期間を短縮するのに役立っています。今回のハッカソンを通じて、AIを活用する考え方を社内のより多くのメンバーに広げ、AIが徐々にすべてのプロジェクトに組み込まれることで、効率と品質を高め、最終的にはクライアントと当社の双方に利益をもたらしたいと考えています。今年のハッカソンは、社内の力を引き出し、今後の方向性を定めることに重点を置いています。計画どおりに進めば、AI支援型開発を新たなサービスとして提供する予定です。これは、SupremeTechがAIを戦略的に活用し、クライアントに具体的な価値を届けていくという明確なメッセージです。」

参加者の視点:課題の内容に対しては、異なる2つの、しかしどちらも前向きな反応がありました。

あるチームは、SupremeTechで実際に手がけているプロジェクトを反映した、実践的で身近な課題であることを高く評価しました。AI支援型開発を試せるだけでなく、いつか当社の次の公式プロダクトになるかもしれないソリューションをつくる絶好の機会になったといいます。

一方で、課題の幅広さを評価する声も多くありました。大胆なアイデアや無限の創造性を発揮する余地があったからです。その自由さのおかげで、参加者は限界に挑戦し、プロダクトオーナーのように考え、通常のプロジェクトの範囲を超えた可能性を思い描くことができました。

まとめ

ハッカソンの課題テーマを抽選する各チーム

SupremeTech AIハッカソン2025は、単なる社内コンテスト以上の意味を持つイベントとなりました。

ビジネスの視点:参加者は経験とインサイトを得て、ビジネスの視点で考える力を磨き、実際の市場ニーズに結び付いたソリューションを生み出しました。

技術の視点:AI支援型の開発プロセスと革新的なフレームワークが導入され、クライアントのプロジェクトですぐに活用できるようになりました。

課題をチャンスへと変えた今回のハッカソンは、イノベーション、組織文化、技術力を組み合わせてクライアントにAIによる価値を届ける、未来志向のパートナーとしてのSupremeTechの立ち位置をより確かなものにしました。